緒方 規矩子(おがた きくこ、1928年(昭和3年)10月4日 - 2025年(令和7年)2月7日)は、日本の舞台衣裳デザイナー。

経歴

東京府日本橋生まれ。京都市立美術大学(現:京都市立芸術大学)図案科に学ぶ。在学中から演劇に傾倒し、クラスメートの田中一光や橋本潔等と「アトリエ座」という劇団を作り、美大卒業と同時に新たな劇団「喜劇座」を起こす。

鐘紡勤務をへて、舞台衣裳デザイナーとしては1952年(昭和27年)関西歌劇団の『椿姫』でデビュー。以後、妹尾河童に招かれ上京。1955年(昭和30年)栗山昌良演出の『道化師』と『カヴァレリア・ルスティカーナ』の衣裳デザインで東京デビュー。1957年(昭和32年)外山雄三、岩城宏之、林光、妹尾河童、栗山昌良、佐々木忠次と“スタッフ・クラブ”を結成。以来、オペラをはじめ、演劇、バレエ、ミュージカル、テレビ衣装と、舞台衣裳分野の第一人者として幅広く活躍している。手掛けた作品は、オペラでは昭和音楽大学オペラ情報センターの記録だけで315件、バレエは昭和音楽大学バレエアーカイブだけで224件、そのほか演劇、ミュージカル、テレビなどを加えれば膨大な数にのぼる。和紙による仮面の製作でも知られる。2019年(平成31年)4月時点でも現役であった。

後進の育成も手掛けており、前田文子、西原梨恵などが緒方の教えを受けている。

2025年2月7日、心不全で死去した。96歳没。

家族

夫は横浜ボートシアター代表で劇作家・演出家の遠藤啄郎。

主な受賞歴

  • 1978年(昭和53年)伊藤熹朔賞(『 三文オペラ』による)
  • 2006年(平成18年)朝日舞台芸術賞特別賞
  • 第42回日本新劇製作者協会賞
  • 2019年度(令和元年度)文化庁長官表彰
  • 2021年(令和3年)読売演劇大賞芸術栄誉賞

著書

  • 舞台衣裳のデザイン 緒方規矩子(著)、栗山昌良(編集)、田中一光(編集)、佐藤信(編集) 六耀社 2001/1/1 ISBN 978-4897373850

関連作品

  • 横浜ボートシアター 賢治讃えDVD 衣裳を担当

展覧会

  • 1987年(昭和62年)『玉三郎幻装』と題する衣裳展を開催した。

脚注

出典


カルメン|オペラ|新国立劇場

「南国のヨタ者」デザイン画 舞台美術詳細 JATDT舞台美術作品データベース

緒方規矩子さん死去 舞台衣装デザイナー:東京新聞デジタル

訃報 緒方規矩子さん 日本新劇製作者協会

舞台衣裳家、緒方規矩子氏ご逝去の報を受けて 新国立劇場